男が泣くのは当時の常識では無しでした。
そうなったそもそもの原因はその一年前に私が課員だった事務部門と設計部門の二つの課を一つの課に統合したことでした。
そうした方が意思の疎通ができて良いだろう、課長も一人減らせるし…と当時の取締役が思ったようでした。
完璧に仕事をこなそうとした課長のために私の残業が徐々に増えて、しまいには100時間を超えました。
完璧な仕事をやるには後輩達に自分の仕事を任せられなかったからです。
(それは最もいけない仕事のやり方の一つです)
二人いた課長が一人になって真っ先に胃潰瘍で入院したのがその課長でした。
その課長は退院して戻っては来ましたが管理職を外されました。
(だって、そのやり方は管理職向きじゃないから)
その後に二人の課長が来るのですが誰がやっても私の残業は100時間でした。
そこで一年後にまた一つの課を二つに戻すことになりました。
その時の事務部門の課長が社内でも有名なイヤな奴だったんです。
私は男ですから人前では泣けませんので家に帰って誰も見ていない部屋で
「なんでだ?なんでなんだ!こんなに働いて、働かされて、それでもまだ足りないというのか!」
と腹が立って悔しくて泣きました。
長くなるので結論を書くと、その課長こそが私の救世主で、イヤな奴だからこそ他の課から引き受けた不可能な作業量の仕事を全て
「とってもじゃないけど、やってらんないね。」
と断ってくれて私はようやく楽になったんです。
物事は何も悪くばかりにはならないという良い例でした。
覚えてないのが最後に本心から笑った時なんです。
一体、何歳の時だったろうか?
私の営業用の笑いは「優しそうな人」とお客様から定評があるんだけど…
「優しそうな人」と言ってくれたお客様は過去何人もいましたけれど「優しい人」と言ってくれたお客様は記憶にある限り一人もいません。
仮眠します。
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