【愚痴】
(1)言ってもしかたがないことを言って嘆くこと。
「―を言う」「―をこぼす」
愚痴
(三省堂提供「大辞林 第二版」より)
誰かに言うから愚痴なのであって誰にも言わないのならば愚痴にはなりません。
言い方を変えるならば誰も聞いていない愚痴は愚痴とはいえません。
ここに書いているような事は間違っても…いや、間違ったら話は別ですけれど細かい話は抜きにして…間違っても誰にも言わないのに、やはり愚痴。
「言ってもしかたがない」と予め分かっているのならば誰にも言わないでしょう。
物理的に得るものはないにしても何らかの足しになると思うから誰かに言った事も、やはり愚痴。
そんな事を言ったら自分にとって一円の利益も生み出さない話は全て愚痴。
文句を言わずに死ぬまで黙々と働けという事でしょう。
と書いたのも愚痴。
日経プレミアシリーズ
傷つきやすくなった世界で
石田衣良 著
(日本経済新聞出版社)840円(税込)
↑立ち読みができます。
表紙を開けた瞬間に夕暮れの道路をピンクのぬいぐるみを背負って歩く二人の人影らしきもの。
冒頭の一文だけ引用します。
街を歩く人の顔がますます険しくなっているように感じるのは、ぼくだけだろうか。
そう感じるのは著者だけではありません。
私も痛い程にそう感じます。
黄昏れの写真とこの一文に魅かれて本を買いました。
夕暮れの昼でも夜でもない時間のことを逢魔時と呼んで「魔」と逢うことがあるそうです。
「魔」は嫌いですが「逢魔時」は一日の中で私が一番好きな時間です。
何が「魔」なのかを知らなければ避けようもありません。
人の心に棲む「魔」とは何なのでしょうか。
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